曽野綾子と織田作之助

ともに昭和六年生まれの曾野綾子と有吉佐和子が、前者は「遠来の客たち」(昭二九)後者は「地唄」(昭三一)によってみとめられ、戦後育ちの二十代の女性らしい明るさと大胆さで、歴史と現代に取材した物語を書きだしたころから、女流作家全般の作風に一つの大きな変化が現れました。 これまでの女流作家は、主としてその体験を描…