ポレンタ天国

たぶん読んだ本・見た映画の記録が中心になります

武雄図書館をほめていた人

実際に、近くに武雄市図書館があれば、まちがいなく僕は通い詰めることでしょう。そして、ここでなら、子どもを育ててもいいと思うかも知れません。…(中略)…この街で育った子どもたちは、きっと情緒豊かで、本が好きな人に育つのではないかと夢想しました。

出典はこちらです。(二千十六年五月廿日閲覧)
武雄市図書館という名の衝撃~図書館が創る未来~《書店をゆく番外編》 - 天狼院書店

 遅まきながら、行ってみました。駐車場は満車の表示が出ていましたが、空きがいくつもありました。誘導のかたが見落としてらしたのでしょうか。館内も座席に余裕があり、座ることができました。

 書棚はずいぶん高いものでした。最上段は模造品の本で埋められています。上のほうにある書籍は手が届きませんから梯子を使わなければなりません。そして、梯子は職員しか動かせません。

 そもそも私は図書館という場所をあまり利用しません。それでも日本十進分類法になじんでいるものらしく、独自の分類法に基づく書架では、目当ての本を探すのに苦労しました。利用者の戻しまちがいと言い切れない、不思議な配架が多々あります。たとえば、「イタリア文学」の棚プレートが2箇所にわかれてささっていたり、他の図書館ならひとところにまとめられる一群の本が何箇所かに点在したり、古そうな本が上の段に回されていたり。赤系統の配色がなされた表紙の本がのきなみ色あせて、白抜きの書名が読みづらくなっているのも気になりました。こういう場合、通常はどうしていましたっけ。中央公論新社の〈哲学の歴史〉シリーズは真っ白くなるにはまだ早いような。

 意図のみえにくい図書館だなという感想を持ちました。「にぎわいの創出」のためであるなら、成功していると言えるかもしれません。本を読む人、コーヒーを飲む人、談笑する人、パソ・コンで作業する人等々。ただ、隣にショッピング・モールがすでにあったわけですから、わざわざ地方公共団体ががんばらなければならなかったのかどうか知りせんが。

 よい点もあります。よその図書館より騒々しいところです。といっても、図書館どうしの比較の問題であって、やかましくて苛苛するほどではありません。人が大勢いるのにしんとした空間が私は苦手なので、ここは居心地がいいなと思いました。年に一冊読書するかしないか、というような人にはとっかかりとしてよいかもしれません。

 そういえば、この図書館はどうして注目を浴びたんでしたっけ。私企業の管理する図書館なら、同じ九州内の熊本県に「くまもと森都心プラザ図書館」があります。きれいで広々としています。下の階に喫茶店もあります。

stsplaza.jp

もっとも、書籍・雑誌や文房具などを購入することはできませんけど。


拝啓 市長さま、こんな図書館をつくりましょう

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知の広場――図書館と自由

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