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ポレンタ天国

ちょいデブおやじのダイエット奮闘記です(笑)

海外日本語教師になる前に〈シリーズ大きな主語②〉

日本語教育日本語教師 日本語日本文化

※伝聞した程度のことをエラソーニ*1語ります。

 もう若くない人が、若者は○○語を勉強して○○で働いたほうがいい、などと無責任なことを助言することがあります。(○○に入る国名はいくつかパターンがあります)なぜ無責任かと言うと、そういう国の査証の制度が変わって外国人の就労がしだいに厳しくなっていると報じられる例があるからです。中流の暮らしを勝ち取るためにはどんだけ成功しなきゃいけないんだよと不安になる国もあります。現地在住で、こっちにおいでよと呼びかける人たちはしばしば、同朋を誘うことが生計手段になっています。

 そう勧めたくなる気持ちもわかるんですよ。そりゃ私もこの国の行く末に楽観していません。町田康は二十年前に、「近々滅亡すると思われるこの国で」といったようなことをすでに書いています。それを読んだときは、なんと荒唐無稽な、と思ったものですが、今はその頃より現実的に感じられます。

 ですがね。アジア諸国で現地採用された場合、しかも最もなりやすい日本語教師になったと仮定すると、*2月にもらえる賃銀はせいぜい6~12万円程度です。*3現地の物価は日本より安いから問題ない、と考えるかもしれません。たしかに暮らせます。日本国で何も払わなくてよいならば。

 アジア諸国は日本国より社会保障が貧弱です。現地で健康保険に入れない人は、歯医者にいちどかかっただけで1万円払うことになる国もあります。年金制度も日本で加入しつづけたほうがマシな国ばかりです。*4国民年金だけでは老後に月6万円前後ですから国民年金基金もとなったら、毎月いくら除けなければならないでしょうか。それだけですめばまだしも、奨学金の返済も抱えていたら……。

 実際には除籍すれば国民年金国民健康保険は支払い義務を免除されますし、奨学金も返済の繰り延べができますが、それは「破綻」を先延ばしにしているだけです。日本国の将来に悲観するのももっともな話です。しかし、衰退するのはともかく一気に崩壊するとはちょっと考えづらいものです。海外は労働環境の快適さが何よりも代えがたい美点だという人もいて、それはその通りだと思います。経済的な懸念がなく、かつ幸運にもそうした職場で働けるのであれば*5何も言うことはありません。

 安易に東南アジアに移住してしまった若者が困窮しているとかいう研究のことを聞いた気がするのに、見つけ出せませんでした。ひきつづき探したいと思います。


日本を降りる若者たち (講談社現代新書)

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)


うんうんとうなずきながら拝読しました。
lavandin.hateblo.jp


pluit-lapidibus.hatenablog.com

*1:1382-1436 フィレンツェ人文主義者。対話の際にいつも自分の学識の高さを誇ったため、大いに嫌われたという。

*2:西欧、北米は日本語教師ですら難しい、いわんや他の職種においてをや、という話も。

*3:営業、技術者、経理、管理者等の経験者はこの倍以上になることが多いです。

*4:アジアの公的年金制度から、開発途上国の老人人口急増問題を考える | 拓殖大学 朝日新聞グローブ (GLOBE)|結婚、アジアの選択 Marriage Pressure in East Asia -- 韓国、「家同士」の結びつき

*5:どちらの意見も聞くんですよねえ。この世の天国みたいだと喜んでいる人もいれば、経営者が人倫に悖るふるまいをしたから逃げ出した人もいます