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ポレンタ天国

ちょいデブおやじのダイエット奮闘記です(笑)

じゃあ、どうするか(日本語教師の待遇はよくならない②)

こちらのつづきです。
pluit-lapidibus.hatenablog.com


 小学校に上がる前後の頃だと思いますが、水泳を習う講座に通わされました。同じく通う子供に暴言を吐かれたのだと思います。私はサウナで講師陣に被害を訴えました。講師陣は私の訴えを真剣に取り上げることはなく、ただ、やられたらやり返す気概を持たなければならないと諭すだけでした。当時の私は憮然としてその場を去ったことがよほど悔しかったのでしょう、今でもこうして覚えています。

 ただし、これ、講師陣の対応を不満に思った当時の私がたぶん間違っています。私領域に属することがらですから、まず私が当事者間で解決を図るべきでした。顧客の間で何か揉めごとがあった場合は講師陣が仲裁に入ることとする、といった契約事項があれば話は別でしたろうが。


 先日、岡本薫『著作権:それホント?』(発明推進協会)を読みました。

著作権―それホント?

著作権―それホント?

1)私的利用のための複製は著作権の例外として認められているため、美術館や書店が写真撮影を禁止することは著作者の著作権とは無関係。
2)「映画館での盗撮はすべて犯罪」は嘘。
3)研究目的で論文などを無許諾で複製したり、ウェッブ上の著作物を印刷したりすることはすべて違法。
4)翻訳だけでなく要約も二次的著作物に該当し、著作者は無断で作成・利用されない権利を有している。
5)パブリック・ヴューイングは非営利・無料であっても放送局の著作隣接権を侵害している。
6)図書館からの本の無料貸し出しについて、図書館等が著者に補償金を払う制度が欧州で拡大している。
などは知らない人が多そうです。

 そんなことをいちいち覚えていられないのはもっとも至極でありまして、著作権侵害かもしれないと思える感覚を養うことが肝要だ、と著者は書いています。借地借家法を知らなくても不動産屋さんで賃貸契約を結べるのと同じです。おかしいと思ったら、文化庁のウェッブ・サイト「著作権なるほど質問箱」が役に立ちそうです。
著作権なるほど質問箱

 『世間さまが許さない!』(ちくま新書)で見られた著者の主張はここでも繰り返されています。
1)契約の不備が法律のせいにされる。
2)利害対立がある場合に交渉して合意した結果が契約なのだから、すべての契約当事者が契約内容に不満をもつのが普通の状態である。
3)それなのに自分の思想や利害を絶対視して、自分にとっての不満を不公正だと考える。
4)それは価値相対主義に基づく相対化ができずにルールを善悪やモラルと混同しているからである。
5)そのため、利害の対立する相手を悪呼ばわりし、自分は弱者と表現する人が非常に多い。*1
6)契約マインドがないから、私的自治の領域にある問題を法律ルールづくりで解決したがる。すなわち、自ら努力したくないというだけの理由で、行政に水戸黄門を期待する。


 よく言われることですが、米国民は行政に頼らず常に裁判で問題を解決しようとします。司法制度が迅速な裁判を受けられるものであることも背景にあります。その結果として、裁判を回避するために民間の契約・合意システムが発達しました。権利者が黙っていたら何も起こりません。海外で海賊版が蔓延っているのなら、裁判を起こすしかないのです。ひとりで裁判をするのが無理なら団結するしかありません。著作権に関して映画会社や無線放送業者が例外的に優遇されているのは、その政治力あればこそ。


 とまあ、ここまで書けば賢明なる3人の読者の皆さま(非制限用法)にはおわかりでしょう。日本国の仮想空間では、「労働基準監督署は何をやっているんだ」などという水戸黄門視聴者の怨嗟がよく聞こえてまいります。しかしながら、権利は自ら行使するものです。
1)雇用契約を交わす前に職務内容を明確にしておく。
2)社内に労働組合がない場合は地域合同労組に相談する。
3)労働局や労働委員会に相談する。
4)それでも埒が明かないときは労働裁判を起こす。

労働法入門 (岩波新書)

労働法入門 (岩波新書)

 まずは逃げろ、と言われることもあります。それも手段の一つです。ただ、業界全体の労働環境が改善することを願っておきながら、「逃散」するのは、ずいぶん迂遠な道じゃありませんかね。
eulabourlaw.cocolog-nifty.com

 あと、現在なりかつてなりの勤務先の実態を告発するウェッブ・サイトがありますけど、あれで何か変わるのでしょうか。改善するどころか、いちど覘いたときの印象ですと、内容から容易に個人を特定できそうでしたから、勤務先の経営者から守秘義務違反に問われるかもしれません。ウェッブ・サイトの管理者は匿名制で登録制だから安心などとおっしゃっていたように思いますが、そんなもん「捨てアカ」でいくらでも閲覧できますしね。*2


pluit-lapidibus.hatenablog.com
pluit-lapidibus.hatenablog.com

*1:www.jiji.com

*2:本論と特に関係ありませんけど、このかたは、くれぐれも内密にと言われたことをご自身のウェッブログで全世界に公開してらっしゃいますよね。