ポレンタ天国

たぶん読んだ本・見た映画の記録が中心になります

6月に読んだ本

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受像器ではなんども見ました。劇場で見るのははじめてでした。大画面だから気がつくこともありますね。駅で待ち伏せているところに怪しい男が入ってくる。その男は柱を背に新聞を読みはじめるのですが、男が現れたとき、床を拭いていた掃除夫がじろじろ男を見ていました。


小嶋英夫ほか編『成長する英語学習者:学習者要因と自律学習』(英語教育学大系6、大修館書店)
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 第4章「学習ストラテジーとメタ認知」、第6章「学習者と指導者の自律成長」だけつまみ読みしました。メタ認知的活動(計画する、注意を集中する、自己観察する、自己評価する)を行うことが語学習得には重要だから、教室授業で明示的に指導することが望ましい。「学び中心」の授業では教師も生徒も自らの学習に責任を持ち、生涯学習者であることが期待されている。

 たしかに先進国でありつづけるためには生涯学習がとても大切だと思いますが、まあ今のところ失敗していますよね。勉強はたぶん自然に反した行為なので仕方ないです。本書で何度か「生きる力」が触れらています。文部科学省によると、このようなふんわりした概念のようです。
確かな学力


國司航佑『詩の哲学:ベネデット・クローチェとイタリア頽廃主義』(プリミエ・コレクション68、京都大学学術出版会)«イタリア学会誌»第66号に土肥秀行先生の書評が掲載されていますから、そちらをご高覧ください。いずれ以下に公開されることと思います。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/studiitalici/-char/ja/www.jstage.jst.go.jp


佐野直子『社会言語学のまなざし』(三元社)
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 一般に教科書と聞いて思い浮かべるものとちょっと違っていて、独特な概説書に仕上がっています。この手の本にはさらに知見を深めるための読書案内がついているものですが、それもプリモ・レーヴィの『休戦』だったりして。日本語教育能力検定試験の受験勉強をしたときに言語学の初歩の初歩を勉強したことで、それほど支障なく理解できたように思います。
 社会言語学は、従来の言語学がそれぞれの言語を総体として扱ってきたために見えなかった部分に注目する研究分野である、という理解でいいのでしょうか。私は日本語を話すとき、場面によって話し方が異なりますし、配慮や戦略を変えています。また、日本社会にも日本語が母語じゃない人がたくさんいて、手話をつかう人もそれに含まれます。多くの人は単一言語空間だと思い込んでいるだけなんですよね。