ポレンタ天国

ちょいデブおやじのダイエット奮闘記です(笑)

1月に読んだ本

ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ『トランス=アトランティック』(国書刊行会)
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 セリーヌの『世の果てへの旅』とゴンブローヴィッチの『フェルディドゥルケ』が大好きです。読んだ後の人生でもいくらか影響を受けて、とにかく逃げ出してばかりいます。『トランス=アトランティック』も『フェルディドルケ』と根っこのところは同じで、三十六計逃げるに如かずな小説なんですが、今作の道具立ては、いささか時代の限界を感じてしましました。祖国とか祖国愛とか「祖国性」とでも呼べそうなものとかを体現した人物が出て来ます。そして、それを徹底的に愚弄するために現れる、手段としての人物がいて、その描かれ方が、ちょっと現代では厳しいものがあります。ゴンブローヴィッチがすごい作家であるとの気持ちは変わらないのですが……、また、そのうち読み返したいと思います。


村田喜代子『名文を書かない文章講座』(葦書房)
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 朝日文庫からも出ていましたが、どちらも品切れ重版未定です。
 私は他人の話を聞くときも、そんなことはどうでもいいから早く核心だけ話してくれよ、と思ってしまいます。人に読まれる文章を書くときは、出だしはそろ~りと。たしかに本職のかたの書いた小説はそうなっていますよね。
 そういえば、役割語も消えゆく運命かと思いきや、やはり小説は現実と違うからむげにできないようです。


福沢諭吉『学問のすゝめ』(講談社学術文庫)
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 年始にtwitterでこれを知ったかぶって語る人が話題になっていましたから、せっかくの機会だと思って、読んでみました。驚きました。当時の人の驚きはもっとだったでしょう。


松本和也・編『テクスト分析入門:小説を分析的に読むための実践ガイド』(ひつじ書房)
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 今の学生さんはこんな懇切丁寧な教科書があって、仕合わせですね。巻末には対象作品もすべて収録されています。この本の長所は、自分でもできそう、と思わせるところですかね。何が語られていて、何が語られていないか、に敏感になれそうです。


牧野修『月世界小説』(早川書房[ハヤカワ文庫JA])
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 昔、≪SFマガジン≫の500号記念だかで「探偵/物語」を読んでひどく感銘を受けました。そのあとで、学問の世界にも「構築主義(社会構成主義)」などというものがあるらしいと聞き知って、でも、けっきょく勉強しないままでした。この世界はアナログなのかもしれませんが、わたしたちは言葉というディジタルなものでしか世界を認識できません。そこから漏れ出るものもたくさんあるじゃろうと思われますが、いかんともしがたく、言葉で再構築された世界に生きているわけです。わたくしのような素人の目には、このような「言葉」とは何とも不思議な存在に映ります。その「言葉」を武器に「神」に戦いを挑む者たちの物語でした。



映画「キングスマン:ゴールデン・サークル」予告B
 前作を見ていなかったのですが、それでも楽しめました。続編だからできたのかもしれませんけど、冒頭からだれることなく見せ場がずっと続いて、この辺りは何とも現代的だなあと思いました。どうして裏切りに気づいた説明が足りないと感じる人もいるようです。あそこで薬じゃなくて仲間を守ったからではないでしょうか。


松田真希子『ベトナム語母語話者のための日本語教育ベトナム人の日本語学習における困難点改善のための提案』(春風社)
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 途中で読むのをやめた本。日本語教育学でも統計分析が必須の技術な観を呈しつつあります。そうであるからこそ、方法論や手法の妥当性などにも敏感でありたいものです。言語能力テストの平均点から語学力を推測するのは無理があるような気がしますし、たかだか数十の調査対象者ならテキストマイニングには不足なんじゃないですかね。