6月に読んだ本
現代日本文学全集〈第79〉十一谷義三郎,田畑修一郎,北条民雄,中島敦集 (1956年)
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1956
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「あの道この道」に、俥夫の妻が「客の落しものらしい煙草入れなどを默々と針さしの抽斗へ藏ひ込む」とあるところを見ると、「路ニ遺チタルヲ拾」ウ社会だったらしきことがうかがえます。
田畑修一郎の「醫師高間房一氏」は、日本の村社会を描いた秀作です。文学者のなかには、故郷を捨てて東京に出てきた者が、他の職業と同じようにたくさんいます。田畑もその一人でした。いまだに「講」が残る村を知っている人はこの作品を楽しめます。
北条民雄を読む人生を送ることができてよかった。
中島敦は芥川龍之介の再来として世に出たようでした。長じた今となっちゃ、芥川は過大評価されてきた作家だと思います。現在、客観小説をおとしめる人は少ないでしょうから、あえて持ち上げる必要もないような。
- 作者: ヴァーノン・リー,中野善夫
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本
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喜びのあまり副知事の息子をトラットリア・ラ・ステッラ・ディタリアでの五品料理のディナーに招待してしまったくらいだ。(二十八頁)
は、たぶん、ヴァーノン・リーがpranzo di cinque portateか、それに相当する英語を書いたのだと思います。英語だと通常はsix-course dinner、つまり「フルコース」ですね。つまらぬ揚げ足取りをすると、三十六頁「ラ・ペッシーマ・メデア」は「ラ・ペッシマ・メデア」、百二十三頁「ポルト・ヴェネーレ」は「ポルト・ヴェーネレ」のほうが適切でしょう。それから、作中でたびたび人名の頭についている「ソル(sor)」「ソラ(sora)」はsignor、signoraを親密な調子にした語、「セル(ser)」は敬称ですね。「~さん」「~様」などと訳すかどうかは判断が分かれそうです。
巴比倫之塔是永山(バベルのとうこれひょうざん)―“最大効果”の語学修得術
- 作者: ユリヤシェラリエーヴァ,谷口伊兵衛
- 出版社/メーカー: 而立書房
- 発売日: 2012/02
- メディア: 単行本
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イタリア貴族養成講座―本物のセレブレティとは何か (集英社新書)
- 作者: 彌勒忠史
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/06
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本文中に
自転車がどれだけ市民に愛され、活用されているかは、駅前ロータリー脇の駐輪場を見ればすぐわかる。朝の通勤・通学時のそれを見れば北京を彷彿とさせる。
とあるのが気になりました。本書の発行年月日は二千八年六月二十二日です。哈斯朝魯・監督の『胡同の理髪師』は二千六年に公開されました。この映画の北京はすでに車社会になっており、自転車に乗っているのは主役のチンさん(設定では数えで93歳)くらいなものです。そういえば、ゼロ年代初頭には、自転車であふれかえる大学構内を「日本の北京」と形容することがあったように思いますが、この言い方はまだあるのでしょうか。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2009/01/07
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こんなテレビ番組もあったのか。
本間智恵
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*3:幼少時に好きだった山本周五郎は「町奉行日記」、『季節のない街』、『寝ぼけ署長』です。
*4:それでもトマージ・ディ・ランペドゥーサの「セイレーン」は好きです