ポレンタ天国

たぶん読んだ本・見た映画の記録が中心になります

10月に読んだ本

黒沢惟昭(2016)『グラムシの教育思想:マルクスもいいけどグラムシもいいとおもうよ』(シーエーピー出版)
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グラムシは社会変革の文脈で語られやすいけれども、言語教育でももっと注目されてほしいです(お前がしろという話ですが……)。この前の発表と合わせてみると、グラムシ→Tullio De MauroからEUの複言語主義へ流れていくあたり。100年後の人間には、トリノの工場評議会が失敗したのは経営管理できる人間がいなかったのも原因に見えるんですよね。「経営者は現場のことが分かっていない、自分たちで塾/語学学校を作るんだ」みたいな動きを教師が取ることがあるけれど、現場の経験だけでは人口ボーナスが終わった時に対処できない。

「興味深いのは(引用者注:グラムシが)『ラテン語の有効性』を『教育原理』として認めていることである。〈ラテン語言語学的研究は、生徒すなわち未来の市民に、自己が分析する現実の何物をもゆるがせにしない習慣を身につけさせ、その性格を鍛え、彼を歴史的・具体的思考へと習慣づける。〉」



斎藤泰弘(2019)『レオナルド・ダ・ヴィンチ:ミラノ宮廷のエンターテイナー』([集英社新書]集英社)
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これで氏の普及版レオナルドは完結。ピランデッロへ向かわれます。