ポレンタ天国

たぶん読んだ本・見た映画の記録が中心になります

2017-01-01から1年間の記事一覧

12月に読んだ本

池内紀『闘う文豪とナチス・ドイツ:トーマス・マンの亡命日記』(中央公論新社[中公新書]) www.e-hon.ne.jp 池内紀はこういうものを書かせたら本当にうまいと思います。日記を紹介する形をとりつつも、見事な評伝になっています。なんというか池内先生の書き…

11月に読んだ本

斎藤泰弘『ダ・ヴィンチ絵画の謎』(中央公論新社[中公新書]) www.e-hon.ne.jp 著者の主張によれば、これまでのレオナルド研究は彼の自然観が一貫したものとみなす誤謬を犯しています。レオナルドは新プラトン主義やスコラ哲学などをつまみ食いしながら独自の…

10月に読んだ本

青木幸弘『消費者行動の知識』(日本経済新聞出版社[日経文庫]) www.e-hon.ne.jp たぶんどちらかと言うと、商品なりサービスなりをどうやって売ったらいいか考えながら働いている人にとって役に立つ本です。私がこの分野に明るくないせいですが、どのようにし…

9月に読んだ本

黒田龍之助『その他の外国語エトセトラ』(筑摩書房[ちくま文庫]) www.e-hon.ne.jp 近年の黒田先生の書き物はいさかさとげとげしくなっているように感じられて、ああやはりフリーランスで矜持を保ったまま生きていくのは難しいのかなあ、などと失礼きわまりな…

8月に読んだ本

張兵『訪日中国人から見た中国と日本:インバウンドのあり方』(日本僑報社) www.e-hon.ne.jp もう少し突っ込んだ分析が読みたかったんですが、そもそもこの分野に学術的な分析がろくすっぽなかったことを思えば干天に慈雨の感あり、よしとします。ビザ緩和が…

7月に読んだ本

洪金寶『おじいちゃんはデブゴン』 映画『おじいちゃんはデブゴン』予告 香港映画も「ドラマ」を作れるようになったのだなあと感慨を覚えました。サモ・ハンお得意のギミックももちろんでてきます。見てよかった。 陳木勝『コール・オブ・ヒーローズ:武勇伝…

6月に読んだ本

asa10.eiga.com 受像器ではなんども見ました。劇場で見るのははじめてでした。大画面だから気がつくこともありますね。駅で待ち伏せているところに怪しい男が入ってくる。その男は柱を背に新聞を読みはじめるのですが、男が現れたとき、床を拭いていた掃除夫…

5月に読んだ本

細川英雄ほか編『複言語・複文化主義とは何か:ヨーロッパの理念・状況から日本における受容・文脈化へ』(くろしお出版) www.e-hon.ne.jp 日本の外国語教育でよく見る主張に対する違和感の正体はこれでした。 Can-DoっていうときCEFRっていうのやめたらみん…

イタリア語の読解教材その2(シリーズ中華教材③)

pluit-lapidibus.hatenablog.com pluit-lapidibus.hatenablog.com北京语言大学出版社から、イタリア語の読解教材が出版されていました。 Marco Dominici,Cinzia Medaglia『意大利语分级阅读』 《意大利语分级阅读》系列是从意大利原版引进的分级阅读图书。…

4月に読んだ本

亀井秀雄『明治文学史』(岩波書店) www.e-hon.ne.jp 3月末に読みました。大学の何かの授業で教科書に指定されていましたから、書名は知っていました。大学生協の購買部でパラパラと立ち読みして、いずれ読もうと思ったはいいが、いつしか品切れ重版未定。も…

好きな張韶涵

一時期、中華圏や韓国の音楽を聴くのが好きでした。あちらの流行歌はどうもバラードが好かれる傾向にあるようで、大陸で出会った人たちの間では日本の歌手ならKiroroの人気があります。私はロックとか軽快なポップスのほうがありがたいです。で、今回はアン…

3月に読んだ本

榎本隆司・編『はじめて学ぶ日本文学史』(ミネルヴァ書房)はじめて学ぶ日本文学史 (シリーズ・日本の文学史)作者: 榎本隆司出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2010/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る中村光夫『小説入門』(新潮社[新潮文庫…

(人文・社会科学向け)研究テーマの見つけ方

sociology.jugem.jp 「研究題目」でも「研究課題」でも「研究テーマ」でもなんでもいいですが、私はこれを見つけるのが非常に苦手です。日本以外の先進諸国には、就職に有利だからという理由で大学院進学率が上昇している国もあるようです。ということは、と…

2月に読んだ本

映画ですが、アントワーン・フークア監督『マグニフィセント・セブン』 映画『マグニフィセント・セブン』予告編 松永澄夫・編『知識・経験・啓蒙【18世紀】』(哲学の歴史6、中央公論新社)哲学の歴史〈第6巻〉知識・経験・啓蒙―18世紀 人間の科学に向かって…

1月に読んだ本

«日本語学»2016年11月特大号(明治書院) www.fujisan.co.jp 年末に読みました。特集は「手書きの字形を考える」でした。版元のウェッブ・ページによると、「世界言語の中の日本語、史的変遷、言語芸術における特徴など、多彩な視点から日本語研究の最先端を広…