ポレンタ天国

たぶん読んだ本・見た映画の記録が中心になります

12月に読んだ本

杉浦章介ほか(2005)『人文地理学:その主題と課題』慶應義塾大学出版会
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ノートをとらなかったので、あまり記憶にないのですが、人文地理学が人文科学・社会科学・自然科学を摂取しながら学際的に発展してきたのだなあと思った覚えが。ジョン・ブリンカーホフ・ジャクソンという重要そうな人物に邦訳がないのが意外でした。あと作品社が出しているデビット・ハーヴェイとか。我らが島国は全体的に山がちで、乏しい平野部のさらにわずかな部分に人が集住して、なかなか維持が大変そう……



庵功雄(2017)『一歩進んだ日本語文法の教え方1』くろしお出版
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庵功雄(2018)『一歩進んだ日本語文法の教え方2』くろしお出版
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庵先生の問題意識には完全に同意します(解決案には必ずしも賛同しませんが)。シェア1位の教材は初級の文型を教えすぎていて、大量の脱落者を生む原因になっていると思います。そして、教える側も、ややもすれば「些末な」差異や一度の教授で完全な定着を図ることに汲汲としていて、「文脈化」がなおざりになりがちなのでは?



西口光一(2020)『新次元の日本語教育の理論と企画と実践:第二言語教育学と表現活動中心のアプローチ』くろしお出版
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日本語教育理論史上の画期を成すだろうと思われる論考。学習者だって色々言いたいはずで、その「声」の獲得を支援する事業としての日本語教育。「市民性の教育」ともつながる話かもしれません。島国のコミュニカティブ・アプローチは意見や内面の表出をおろそかにしてきたし、もっと模倣が取り入れられてもいいですよね。本場のCEFRは交渉や説得も重視されていますから。



鈴木智彦(2018)『サカナとヤクザ:暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』小学館
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大陸の日式料理だと三文魚と鰻魚が定番ですが、あっちはだいじょうぶなんでしょうか?