『英文解釈教室』の疑問点

中学高校と、英語が大の苦手でした。どういういきさつでだったか覚えていませんが、同級生のEが私に教えてくれたのは、伊藤和夫の『英文法のナビゲーター』（研究社）と『ビジュアル英文解釈』（駿台文庫）をやればよいということでした。それぞれ2回解き終わるころには、模擬試験程度の英語には困らなくなりました。その間、『伊藤和夫の英語学習法』（駿台文庫）も読んでいます。

大学入試英文法のナビゲーター 上 (研究社ナビゲーター・シリーズ)

大学入試英文法のナビゲーター 下 (研究社ナビゲーター・シリーズ)

ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ)

ビジュアル英文解釈 (Part2) (駿台レクチャーシリーズ)

伊藤和夫の英語学習法―大学入試 (駿台レクチャーシリーズ)

こちらがありがたくこれらを解きすすめているころ、当のEは『新・英語頻出問題演習』（駿台文庫）と『英文解釈教室』（研究社）に取り組んでいました。それで、自分もそれらと『テーマ別英文読解教室』（研究社）とにとりかかろうと思いつつ、高校3年生のときも、予備校生のときもなぜかそんな余裕がありませんでした。

新・英文法頻出問題演習 (Part1) (駿台受験シリーズ)

新・英文法頻出問題演習 (Part2) (駿台受験シリーズ)

英文解釈教室　改訂版

テーマ別 英文読解教室

英語を勉強する必要が微塵もなくなって、ようやく、これらの本を買いました。そして、憧れの『英文解釈教室』をひもといて驚きました。

「訳文がぎこちない！」

『ビジュアル英文解釈』でうならされた、自然な日本語訳の面影はどこにもありません。『解釈教室』のあとで口直し実践練習にと思って着手した『テーマ別英文読解教室』は、晩年の作だけあってさすがです。よい演習になりました。中年の伊藤和夫はまだまだ訳出技術に未熟なところがあったのでしょうか。それが、さらに年を重ねて向上していった、と。もしそうだとすれば、不思議なのは、現在普及している『解釈教室』は最晩年に手を入れた版であることです。訳文まで手が回らなかったのかしらん。 『解釈教室』の効用はすばらしいものがありますが、この訳文を手本にしてしまうとよろしくないかもしれません。さいわい、翻訳家の柴田耕太郎氏が修正訳を提示していらっしゃいますから、これを頼りに読むのがよいと思われます。

柴田耕太郎主宰【英文教室】英文解釈教室

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